PAY.JPの非ECサイト的な活用方法を考えてみた
シンプルなUIと導入の手軽さから大手企業にも採用されているオンライン決済サービス「PAY.JP」ですが、
東証マザーズ上場のECサイト作成サービスを展開するBASE株式会社(東証マザーズ上場・証券コード4477)のグループ会社だけに、EC分野でそのシェアを伸ばしていることは納得のいくところです。
しかし、WordPressを専門にWeb制作サービスを提供している当社としては、「PAY.JPの魅力はECサイトだけのものじゃない」と声を大にして申し上げたいので、PAY.JPの非EC的な活用方法についてまとめてみました。
PAY.JPの魅力
1. 決済手数料の安さ
PAY.JPの特徴はなんと言っても国内最低水準の決済手数料。
料率はなんと2.59%〜という低水準※で、NPO・寄付決済向けには1.50%という「PAY.JP NPO」というプランまで用意されています。
既にオンライン決済を利用されている方や、過去に導入したことがある方であれば、この手数料率がめちゃくちゃ攻めてるものだとおわかりになるかと思います。
ちなみに昨今なにかと話題のふるさと納税もある種の寄付決済なワケですが、概ね10%程度がポータルサイトの手数料だと言われています。
ふるさと納税でなくとも寄付決済の手数料率はその他の場合よりも高めの料率が設定されているケースが多いので、1.50%は破格の低水準と言って間違いないと思います。
寄付決済ではなくても、2.59%〜は他の人気決済サービスと比較しても低水準です。
サービス名 | 決済手数料 | 備考 |
---|---|---|
PAY.JP | 2.59%〜 | Proプラン / Seedプランの場合 |
PayPal | 2.9%+40円/件~ | 国内決済 / 月間30万円以下の場合 |
Stripe | 3.6%〜 | PAYMENTS通常レートの場合 |
※Proプラン/Seedプランを利用の場合のVISA・MASTER CARDの手数料率
2. Apple Payに対応
PAY.JPは、実は国内で最も早くApple PayをサポートしているApple社の公式に認定された決済サービスプロバイダーです。
iPhoneの利用率が依然高水準な日本では、Touch IDだけで手軽に支払いが完了するのは魅力ですよね。
しかも、PAY.JPのAPIを利用することで手軽に実装でき、Appleへの申請もPAY.JPの管理画面から可能です。
ちなみにApple Payを導入した場合の決済手数料も、2.59%〜※。
「決済をシンプルにしたい」というPAY株式会社の決意が垣間見られます。
※Proプラン/Seedプランを利用の場合のVISA・MASTER CARDの手数料率
3. シンプルなUI
ユーザー視点でのPAY.JPの魅力は、シンプルなUI。
わかりやすく、無駄がなく、だれでも迷うこと無く決済できます。
頻繁に決済するヘビーユーザーであれば、「PAY IDに登録」をしておけば、毎度カード情報を入力することも不要です。そう、単なる決済代行サービスではなく、独自のID決済にも対応しているのが大きなポイントです。
後述しますが、非EC的な決済利用を考える上でここは非常に大切です。
WordPressで作る、非ECサービスの決済利用例
と、ここまで改めてPAY.JPの魅力をお伝えしてきましたが、実際に非ECサイトでどのような活用方法があるかを考えていきましょう。
1. コンシューマ向けのサービスの場合
Webサイトでお店やサービスの予約受付を行なっているサイトで導入すれば、煩わしい請求書のやり取りや、入金管理(または現金の受け渡しなど)からも開放され、利用者の方も手軽なカード決済でクレジットカードのポイントを受け取れたり、場合によっては振込手数料なども不要になるので、利便性がアップします。
また、事前予約のサービスでよくあるドタキャンの抑止効果もあると思います。キャンセル規定を設けているサービスの場合でも、PAY.JPなら決済時に与信(オーソリ)だけ通しておき、後日支払い確定、という操作もAPIを使って実装可能ですので、
キャンセルに伴うトラブルも避けられるのではないでしょうか?
例えば以下のような業種で導入メリットがあると考えられます。
- サロン(美容系・マッサージなど)
- 出張サービス(撮影・修理・クリーニング・家事代行など)
- 病院、クリニックの人間ドック・健康診断予約
- イベント(セミナー・音楽系・レッスンなど)
構築方法としては、WordPress上で予約管理の仕組みを構築し、予約申込時にPAY.JPのAPIを利用して決済フォームを作成する、というイメージですね。
ここで重要なポイントですが、頻繁にご利用いただくリピーターのお客様を増やすためには、決済の都度クレジットカードの番号を入力していただくというのは、とてもハードルが高いです。
予約したいと思ったときに手元にクレジットカードがなかったり、カードそのものをスマホアプリで管理している場合などはそれだけで離脱に繋がりかねません。
貴社にとってもユーザーにとっても非常に機会損失になってしまいますので、このようなサービスを提供されている場合には、Apple PayやPAY IDが使えることが大きなメリットになると思います。
2. Webメディア
こちらは既に多くのニュース系サイトで導入されているのでイメージしやすいところですね。
会員制のWebメディアであれば月額制の定期購読プランを導入したり、そうでない場合も特定の記事だけワンショットでの有料記事を配信したりすることで、広告収入以外のキャッシュポイントを作ることもできます。
時代はペーパーレス。ニッチな分野の専門誌系紙媒体からWebメディアに移行するケースも増えていますが、そのような場合でもWordPress×PAY.JPで作成すれば、比較的低予算でもローンチも可能です。
当社では、WordPressで運用するWebメディアのiOSアプリ化も低予算で承っておりますので、お気軽にご相談ください。
3. NPOなど
WebサイトやSNS上で活動内容を積極的に発信している団体も増えておりますが、残念なことに寄付は銀行振込というケースも少なくありません。
これこそ手軽なオンライン決済を導入することで、寄付する側も気持ちよく手続きできる仕組みを導入すべきだと考えます。
寄付金控除のための領収書発行などの手続きは残るかもしれませんが、せっかくWebやSNSで多くの共感を集めることに成功したならば、オンライン決済を導入することで、毎月定額寄付のようなプランを提案したり、一度寄付していただいた方にメールで活動報告を送ったり、再度寄付のお願いを送ったりといった接点を作ることができます。
しかも、料率は1.5%です!
もはやNPOや寄付目的のオンライン決済は、PAY.JP一択でいいのではないでしょうか。
4. 月額制の定期課金サービス
多くのオンラインサービスでサブスクリプションが一般的になりつつありますが、例えば弊社のような制作会社でも保守契約をいただいているお客様には毎月ご請求書をお送りしておりますし、その他の企業様でも毎月定額でのご請求が発生するようなケースは多々あるのではないでしょうか?
そのような場合に、WordPressで簡易的にクライアントポータルを作成し、PAY.JPのAPIで定期課金を実装すれば、請求書発行の手間や郵送料、お客様の振込手数料、入金確認や消込処理の手間なども省けるので、皆ハッピーです。
BtoBのサービスではまだまだカード決済がなじまない部分もあるので、一概にこの業種で、と言えない部分もありますが、実際月額数万円とかのやり取りに何百円もの振込手数料を支払っていただくのはサービスとしてどうかな?と考えてしまう部分もあります。
弊社でもなかなか自社向きの開発に手が回らない部分がありますが、近く保守サービスをご契約の企業様向けにクライアントポータルを開発していこうと考えています。
まとめ
いかがだったでしょうか?
いわゆる物販系のECサイトでなくてもPAY.JPなら非常に手軽にオンライン決済を導入できますので、
少額の請求のために大量の請求書をやりとりしたり、管理の手間が膨大になってしまっている場合には是非自社サイトへのPAY.JP導入をご検討ください!
そして、「PAY.JPを導入したいけど、Webサイトはワードプレスだよ」という場合には、是非お気軽にご相談ください。