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カスタマイズ自在!WordPressを高機能CMSに変える有料プラグイン5選

WordPressには公式ディレクトリに公開されている無料プラグインがこちらの記事執筆時点で、59,000点以上存在しています。
中には無料とは思えないくらいの素晴らしい機能を提供してくれるものも存在しますが、今回は弊社がWordPressサイトを構築する際に使用頻度の高い有料プラグインをご紹介します。

多数の無料プラグインが存在する中で、あえて有料ライセンスのプラグインを使用する理由としては、

  • とにかく開発が捗るため工数削減ができる
  • 無料版にはない多彩な機能とカスタマイズ性
  • 運用者視点での有料ならではのメリット(後半でお伝えします)

という感じです。
個別の内容については各プラグインの紹介の中でお伝えしていきますが、ライセンス料を支払っているプラグインは必ずそれに見合う付加価値を提供している、というのが基本的な考え方です。

多くは海外製でライセンス費用の決済もドル建てだったりするので、管理が面倒な点は否めませんが、そのデメリットを補って余りある有料プラグインの魅力をご紹介していきます。

Advanced Custom Fields Pro

Advanced Custom Fields Pro
ACF Pro公式サイト

WordPressを利用している方であれば言わずと知れた超有名プラグインのProライセンス版です。

主な機能としては、投稿や固定ページにカスタムフィールドを自由に追加することができる、というものですが、Pro版ならではの嬉しい拡張機能が使用できるようになります。

高度なフィールドタイプが使える

ACF Proにアップグレードすると、

  • 反復するデータの繰り返し入力に対応するリピーターフィールドが使用できる
  • 複数フィールドをまとめて設定できるグループフィールドが使用できる
  • 柔軟な入力に対応しているフレキシブルフィールドが使用できる
  • 既存フィールドグループを再利用するCloneフィールドが使用できる(定義が複雑なフレキシブルフィールドとの組み合わせが便利)
  • 複数画像の一括アップロードや並び替えが容易なギャラリーフィールドが使用できる

が利用できるようになります。

この点だけでも開発効率やユーザー(この場合は実際にサイトを運用するクライアント)の利便性が大幅に向上するため、弊社ではほぼすべてのサイトにおいてACF Proを採用しています。

フロントエンドフォームの強化

ACFプラグインにはacf_form()という便利な関数があり、フロントページからこの関数を使用して投稿メタ(ACFの値)を操作することができます。

Pro版ではこのacf_form関数のオプションが強化されているため、例えば会員制サイトでユーザーがマイページから何かを投稿したり、投稿済みの情報を再編集したりする際に使用するフロントエンドフォーム機能(ACF Form)を使用したい場合などでは、Proライセンスがマストになってきます。

具体的な用途としては、

  • 求人ポータルサイトで、求人企業ユーザーが新規の求人情報を登録する/既存の求人情報を編集する
  • ローカルメディアで店舗ユーザーが自社店舗の情報を登録/編集する
  • ユーザー投稿型のコンテンツでマイページから新規投稿/再編集をする
  • 社内ポータルサイトで管理者以外のユーザーが管理画面を使用せずに情報を共有する

のような場合に非常に重宝します。

サイト全体の管理を効率化

ACF Proのもう一つの特徴として、オプションページ機能が使えるようになる点があります。

この機能を使用すると、各投稿メニューに共通する設定を管理するためのページを追加したり、サイト全体に共通する設定ページを自由に増設し、ACFを使って項目ごとの設定フィールドを表示させることができます。

オプションページ設定例
オプションページ設定例

この機能もadd_option_page()という関数を使用すれば、ACF Proを導入していなくても設定可能ですが、GUIで管理画面から自由に追加・削除ができるのは嬉しいですよね。

ちなみに弊社では、wp_enqueue_script()でCSSやJavaScriptなどのファイルを読み分ける設定もこのオプションページで設定できるようにしています。

functions.phpで定義してしまうと、後々になってユーザー(お客様)側で変更や追加ができなくなってしまうので、長期的な視野に立って運用効率を考えるととても便利です。
仮に実際にこの設定を行うのがお客様ではなく、保守を担当する制作会社だったとしても、です。

Gravity Forms

Gravity Forms公式サイト
Gravity Forms公式サイト

次にご紹介するのはフォーム用プラグインのGravity Formsです。

海外ではかなりメジャーなプラグインですが、WordPressプラグインとしては
無料版:公式ディレクトリからダウンロード
有料版:ライセンス料を支払って上位機能が開放
というものが多い中、このプラグインは珍しく無料版というものがありません。

フォームを作成用のプラグインとしては、
・MW WP Form(新規開発終了)
・Contact Form 7
が圧倒的に人気ですよね。

確かにこれらのプラグインはお問い合わせフォームなどオーソドックスなフォームを実装するには十分すぎるほどの機能を提供してくれているのですが、Gravity Formsは通常のフォームを作成する以外にもたくさんの用途が用意されています。

具体的な導入例

一例を挙げると、

  • 会員ログインフォーム
  • パスワードをお忘れの方
  • パスワードリセット
  • アンケートフォーム
  • クイズ形式の設問フォーム
  • 会話型のフォーム

よく使うのはこのあたりです。

他にもCRM(Salesforce,HubSpot, Zoho CRM, Mailchimp など)、決済(Stripe, PayPal, Square)、ストレージ(Dropbox, Google Drive)との接続など多数の拡張機能がアドオン形式で提供されていて、少し特殊なフォームを作成したい場合にはきっと用途にあったものが見つかると思います。

使用できるアドオンは有料プラン(Basic / Pro / Elite)によって異なるので、事前に使用目的を確認してからライセンス購入をしていただくことをおすすめします。

使いやすいインターフェース

フォームの設定画面もGUIでわかりやすく、送信値はフォーム毎に管理画面からCSVダウンロードもできるほか、例えばGoogleスプレッドシートに自動連携のような運用も可能です。

見たままフォームの編集ができるので、例えばイベントやセミナーの参加フォームなどで毎回取得する入力項目が変わるような場合には、お客様側でも扱いやすいと思います。

Gravity Formsの設定画面例
Gravity Formsの設定画面例

弊社での利用例

弊社では会員制サイトの制作依頼をいただくことが多いため、主に会員機能の実装に使用しています。
会員制サイトに使用するのは、User Registrationというアドオンで、Eliteライセンスで使用可能です。

Gravity Formsが各機能をアドオンとして分割している理由は、とくかく高機能過ぎて全部の機能を盛り込んでしまうと漏れなくオーバースペックになってしまうからだと思います。

さらに驚くべきことに、これらのアドオンを補完・拡張するアドオンが別のディベロッパーから販売されていたりもするので、開発元のRocketgenius Inc.は、もしかしたらWordPressのプラグイン・アドオン界隈で一番成功している企業かもしれませんね。(※未確認です)

プランと料金

(すべて年額)
Basic License $59
Pro License $159
Elite License $259

WP Webhooks

WP Webhooks公式サイト
WP Webhooks公式サイト

次に紹介するのはWP Webhooksプラグインです。国内ではあまり有名ではないかもしれません。

このプラグインはWordPress内のデータを外部サービスとつなぐためのハブになるプラグインです。
WordPress内外のイベントをトリガーにしてデータを送受信することができますので、例えばWordPress内での特定のアクションをCRMに連携したり、逆にCRM上からWordPressの投稿データを作成したり編集したりできるようになります。

利用例

具体的な用途としては、

  • 会員制サイトの会員情報をCRMに同期させる
  • 会員制サイトのサブスクリプションをCRMで管理する
  • 会員制サイトの購入データをCRMに同期させる
  • 求人サイトに掲載する求人情報をATSから同期させる
  • 求人サイトの応募データをATSに連携する
  • 不動産サイトの物件情報を別のシステムから同期させる
  • 不動産サイトの問い合わせデータをCRMに同期させる

など、過去のブログエントリーでも紹介させていただいた内容です。

有料版のメリット

このプラグインは無料版でもある程度利用できるのですが、有料版を使用すると設定できるWebhookのトリガー(発火条件)が多彩になります。

WP Webhooksの設定画面例
WP Webhooksの設定画面例

またWebhookを受信した際に実行するアクションも同様に種類が増えますので、外部システムとのデータ連携を設計していく上ではPro版が必須となります。

もう一つのメリットとしては、規定のトリガー以外にもテーマ関数やプラグインで定義した特定のフィルターフックやアクションフックに連動する形でWebhookを発火させ、ペイロードに含めるデータも自由に定義できますので、セキュリティ上のリスクも最小限に抑えて運用することが可能です。

CRMの普及が進んでいる昨今、Webサイトとデータ連携をすることで業務プロセスを自動化する、という部分で弊社でも非常に多くの引き合いをいただいております。
連携先がWebhookのエンドポイントを持っているシステムであれば、このプラグインが価格以上に存分に働いてくれること間違いなしです。

WP vivid

WP vivid公式サイト
WP vivid公式サイト

4つ目はWP vividプラグイン。
WordPressサイトのバックアップやサーバー間のデータ移行を行うプラグインです。

同様の機能を持つプラグインとしては、
All-in-One WP Migration
というプラグインが有名ですね。

All-in-One WP Migrationプラグインは無料版でファイル容量の制限がある(有料版では上限解放)のに対し、WP vividプラグインは無料版でも自動でファイルを分割してくれるので、無料版での手動バックアップに関しても若干使い勝手がよいのがWP vividです。

有料版のメリット

ただ、有料版を比較してみるとWP vividの秀逸さが際立っていて、

  • バックアップスケジュールの設定
  • バックアップ対象を細かく制御できる
  • クラウドなどの外部ストレージへの保存オプションが多い
  • 特定のファイルやデータテーブルを選択して復元できる
  • ステージング環境へのデータ同期がワンクリックでできる
  • 差分バックアップと同期が可能

といった便利機能が使用可能です。

どちらかといえば保守を行っている制作会社向けのプラグインという感じもしますが、自社でサイトの保守や運用管理を行ってる企業の担当者様でも業務負荷を軽減してくれる機能が盛り沢山です。

WP All IMPORT / WP ALL EXPORT

WP ALL IMPORT
WP ALL IMPORT公式サイト

最後にご紹介するのは、WP ALL IMPORT / WP ALL EXPORTプラグインです。
2つは別々のプラグインですが、一緒に利用することの方が多いと思いますので、敢えてセットで1つのプラグインとしてご紹介します。

これはWordPressのあらゆるデータをインポート/エクスポートできるプラグインです。
インポート/エクスポートといってもバックアップ的な意味合いではなく、大量の投稿データをインポートしたり、スプレッドシート上で一括編集(例えば拡張されるメタデータを一括で編集したい場合など)したい場合に活躍します。

有料版のメリット

Pro版ライセンスを購入するメリットとしては、

  • ACFフィールドに対応(アドオン)
  • ユーザーデータに対応(アドオン)
  • スケジューリングが可能

といった点が挙げられます。

また、WP_queryやユーザクエリ、コメントクエリなど独自に定義したターゲットに絞ってエクスポートすることもできるので、かなり運用の自由度が高いのが特徴です。

Zapierで外部との自動連携ワークフローを組んでいる場合などでは、スケジューリング機能が便利かもしれませんね。

使用例

このプラグインを使用するシチュエーションは、いわゆる投稿記事のような不規則なデータではなく、固定のメタフィールドがたくさんあるような投稿データ(不動産・求人・店舗情報・ECサイトなど)が対象になってきますので、ACF連携はマストだと思います。

少々繊細な内容を扱っているケースが多いので、具体的なスクリーンショットなどは掲載できないのですが、「CSVインポート/エクスポートで大量のデータを一括編集して上書きしたい」といった場面では、これまで試した中で圧倒的に使いやすく、動作も安定しているプラグインです。

弊社でもお客様からのご依頼によりそういった対応を取ることがありますが、過去の例では50,000件程度のデータ量であれば問題なく扱うことができました。

インポート時の注意点

使用の際の注意点としては、CSVやXMLでインポート/エクスポートが可能なのはテキストデータのみ、という点です。文字列データ(日付・真偽値・チェックボックスなど)は問題ないのですが、バイナリーデータ(画像やPDFなどのアタッチメント系)については基本的にIDで扱われることになります。

既にメディアライブラリにアップロードされている画像などについては、IDまたはURLを指定してインポートを行うことで投稿データに関連付けをすることができますが、それ以外の場合にはもうひと工夫が必要です。

例えば、データファイル(CSV)には画像ファイル名のみが記載されていて、画像は同時にまとめてメディアライブラリにアップロードする、といった場合です。
このような時は、画像のIDやフルパスを調べるだけでも骨が折れますので、あらかじめフィルターフックなどを用意しておいて、対象の投稿データが更新されたときにファイル名から画像IDを検索して関連付ける、などの設定をしておくことで作業効率が上がります。

他にも有料プラグインのメリットは盛りだくさん

いかがだったでしょうか?
今回は弊社が実務で使用している有料プラグインを厳選5件でお届けしましたが、他にもニッチな機能を提供してくれたり、マニアックな要望に応えてくれるプラグインがたくさんあります。

弊社ではお客様から機能追加や開発のご依頼をいただいた際に、
・プラグインのみで実装
・プラグイン+カスタム関数などで実装
・完全にオリジナル機能として実装(多くは特注プラグインとして納品)
の3つの方法で実装の検証を行っています。

「こんな機能が欲しい」
「こんな風に運用したいけど機能がない」
などお悩みの際には是非お気軽にご相談ください。

有料ライセンスを購入する際には

最後に有料ライセンスを購入する際のポイントですが、プラグインの有料版にはLifetimeというライセンス形態が用意されていることがあります。
文字通り、このライセンスには有効期限がなく開発元または製品が存在する限り一生使用可能なライセンスです。

以前から感じていて、今回この記事を執筆して改めて確信したことですが、

  • プラグインの人気がでるとライセンス料が値上がりする
  • プラグインの人気がでるとLifetimeライセンスは廃止され、年間サブスクのみになる

という傾向があります。
もちろんLifetimeが廃止された後も一度購入したLifetimeライセンスは有効です。

自社にとって欠かせないと感じたプラグインであれば、多少高くてもLifetimeでライセンスを購入してしまった方がコスト的には大幅な節約になるケースが多いと思います。

有料プランには無償の評価期間が用意されている場合が多いので、うまく活用してお得に購入していただくことをおすすめします。