「WordPressが使いにくい」と感じた時にチェックしてほしい4つの項目
弊社ではWordPressの保守サービスを提供しておりますが、こちらは弊社で作成したWordPressサイトだけではなく、他社で制作されたWordPressサイトの持ち込みにも対応しております。
このため日頃から他社で作成されたWordPressテーマを目にする機会が多いのですが、時々「おや?」と感じる実装を目にする機会があります。
Webサイトの制作過程では、予算制約や納期の都合、見積要件外のご要望など様々な事情がありますので、コードを見ただけで一概に決めつけるのは良くないのですが、控えめに言って「手抜きをしているな」と感じることや、「これではユーザー(お客様)が使いにくいだろうな」と感じることも多々ありますので、今回はそんなWordPressのちょっといただけない実装あるあるをまとめてみました。
テーマファイルにコンテンツが直書きされている
WordPressの編集画面には空のページが設定されており、実際に表示されるコンテンツはテーマテンプレートに直接書き込まれている、という内容で、最も目にする機会が多いのがこちらです。
WordPressはCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)ですので、管理画面でコンテンツの編集を行えばそれがフロントページに反映されるべきなのですが、この実装形態では管理画面で何を編集しても表示されるのはテンプレートに直書きされた内容のみですので、もはやCMSとしての機能を果たしていません。
このようなWordPressテーマでは、page-XXXXXX.phpのように、「XXXXX」のスラッグを持つ特定のページにしか適用されないよう予め設計されたページテンプレートが多数存在している傾向があります。
head内での条件分岐が多すぎる
これはどういうことかと言いますと、head内で読み込む参照ファイル(CSSやJSなど)やmetaタグの条件分けをしたいがために、header.php内で非常に多くの条件分岐式を設定しているケースです。
具体的には、
if ( is_page('AAAA') )
{
}
elseif ( is_page('BBBB') )
{
}
elseif ( is_page('CCCC') )
{
}
else
{
}
のようなコードです。
条件分岐式自体はテーマ作成においてよく使用しますので、それ自体が問題というわけではないのですが、参照ファイルの条件分けをheader内に直書きしているということはページの追加やコンテンツの拡張などをまるで考慮していないということですので、やはりCMSとしての機能を一部放棄していると感じてしまいます。
更新頻度が多くないサイトではあまり問題にならないのかもしれませんが、Webサイトでの情報発信を充実したい企業様などにはふさわしくない実装だと思います。
類似したファイルの2重読み込み
こちらは色々なパターンがあるのですが、最もよく目にするのは下記のような例です。
これの何が問題なのかと言いますと、WordPressあらかじめ内部にjQueryのライブラリを内包しています。
また大半のユーザーはWordPressの最大の特長である数々の便利なプラグインを使用されていると思いますが、プラグイン類もこの内部のjQueryが使用されることを想定して作られているものが多いので、上記のようにわざわざ外部にホストされたjQueryを読み込ませると、jQuery自体を2重で読み込むことになります。
中にはご丁寧にwp_deregister_script関数を使用して内部jQueryの読み込みを停止し、外部のjQueryを参照しているケースもありますが、余程の事情がない限りおすすめできません。(いままで目にした限りで言えば、大半のWebサイトでこれは必要ありません)
わかりやすい弊害としては、
- ページの読み込みが重くなる
- 一部のプラグインが動作しなくなる
- 安全ではないバージョンのスクリプトを使用し続けてしまう
などがあります。
前項とも共通しますが、WordPressにはwp_enque_scriptやwp_enque_styleといった便利な関数が予め用意されていて、どんなファイルをどのような条件で読み込むか、またヘッダー(wp_head)で実行するか、フッター(wp_footer)で実行するか、依存するスクリプトは何か(例えばjQuery)など、柔軟に定義できるようになっていますので、これらを使用して(できればこれも管理画面で編集できるよう)実装する方がユーザーフレンドリーではないかと思います。
ヘッダーやフッターのコンテンツが更新できない
これも最初の項目と近いのですが、全ページ共通の内容(ヘッダー・フッター・CTAセクションなど)や、特定のページに属さない(例えばカテゴリーアーカイブに表示するテキストや画像など)コンテンツを、やはりテーマ内のテンプレートに直書きしてしまっているケースです。
「全ページ共通なんだから、何が問題なの?」
と言わればそれまでなのですが、例えばヘッダーのロゴが変更になったり、コンテンツが増えてフッターのサイトマップの構造が変わってきたり、コンテンツによってCTAの内容を変更したりと、Webサイトの運用期間が長くなっていくと細かな修正が必要になることも多いので、そんな時に「ヘッダーはテーマファイルを修正しなければ変更できません」では困ることになります。
ヘッダー・フッターと言えどもブラウザ上に表示するものはすべてコンテンツですので、管理画面にオプションページを作るなど、せめて画像やテキストの更新できるようにしておきたいものですね。
WordPressテーマの無料診断いたします!
弊社にWebサイトリニューアルのご相談いただくお客様には、必ずリニューアルの目的をお尋ねさせていただくのですが、かなりの割合で「特にデザインに不満があるわけじゃないんだけど、コンテンツの更新がしづらいので作り直してほしい」という内容があります。
制作会社としては嬉しいリニューアルのご相談なのですが、これはコスト面でも非常に勿体ない話で、せっかくWordPressという高機能なCMSを導入しているのも関わらず、このようなお考えに至ってしまうのは非常に残念なことです。
WordPressテーマはビューを作成していますので確かにデザインと一体なのですが、デザインを刷新しなくてもWordPressの使い勝手をよくするためのテーマ改修ということも可能ですし、テーマ全体でなくても部分的な改修だけでも使い勝手が格段に改善することもあります。
ここでご紹介したようなお悩みをお持ちの場合は、ぜひ弊社にご相談ください。
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