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WordPressとZoho CRMを双方向同期させる方法

ここ1〜2年でIT導入補助金をはじめ、各自治体からもITツールの導入やDX化の支援のための補助金交付事例も増えてきたため、業務効率化ためのツールとして業種を問わずCRM製品の導入が増えてきた印象があります。
それに伴い、WordPressで構築されたWebサイトとCRM間での双方向のデータ同期や、WordPressで顧客ポータルサイトを構築したいなどのご相談をいただく機会も増えてきました。

以前のエントリーでWordPressからZoho CRMにデータを連携する方法について、フォームでの連携方法やAPIを利用した連携方法を紹介させていただきましたが、今回の記事では、WordPressとCRMの双方向同期をもっと手軽に実装していくためのTipsをご紹介させていただきます。

ご紹介する方法はWebhookが利用可能なCRMであれば実装可能ですが、この記事ではIT導入補助金2022の利用が可能で、弊社が導入サポートをさせていただいておりますZoho CRMとWordPressの連携をベースにご紹介します。

Webhookを利用した双方向同期

Zoho CRMには標準で「Web通知」という機能があります。
この機能を使用すると、Zoho CRM上のデータを指定のWebhookエンドポイントに送信することができます。

Zoho CRMの設定画面
自動化 > 処理を選択
Zoho CRMの設定画面
Web通知の設定画面

また設定したWebhookの実行条件は、「ワークフロールール」を使用して設定します。
この機能では、データを同期させるタイミングやWordPress側に同期させたいデータ抽出条件など細かく指定できますので、実際の業務の運用に合わせた指定条件でデータを同期することができます。

Zoho CRMの設定画面
ワークフロールールの設定画面
Zoho Flowの設定画面
Webhook受信時の設定

一方、WordPressからのデータの受信に関しては、Zoho Flowを利用します。
Zoho Flowを使用すると、Webhookエンドポイントの設定や、Zoho CRM側でのデータマッピングが視覚的に設定できるため、少し複雑なデータ更新にも簡単に対応できます。
また、受信したデータ項目によって条件分岐したい場合や、カスタム関数によるデータ変換なども設定できますので、WordPressから送信されたデータがZoho側のデータ型と合わない場合などにも柔軟な処理ができるようになっています。

この2つを組み合わせることで、WordPressからZoho CRMのデータ自動更新(または作成)と、Zoho CRMからWordPressのデータ自動更新(または投稿データ作成)を同時に実現することができます。

WordPress側のWebhookの設定

次にWordPress側のWebhookの送受信の実装はどうするか?ということですが、Rest APIを使用した開発など様々な選択肢があるものの、こちらはやはりプラグインを使用した実装が便利かつ実用的です。

以下にご紹介するWP Webhooksプラグインを使用すると、Webhookの送信(Send Data)の設定やWebhookの受信(Recieve Data)の設定が比較的簡単に行なえます。
また有料版のWP Webhook Proを使用すると、予め定義しておいた順序で実行されるタスク(Flow)を設定することもでき、DX化を考える上で必要になってくる実装を大掛かりな開発を行わずに実装することができます。

多くのサイトで利用されているACF(Advenced Custom Fields)によって作成されたカスタムフィールドのマッピングにも対応できますので、難しいRest APIのエンドポイント作成を行わなくても、データの同期が自在に行なえます。

WP Webhookの設定画面
Webhook送信時の設定
WP Webhookの設定画面
Webhook受信時の設定

少し含みのある表現になってしまいましたが、WordPress側の設定に関してはプラグインの導入だけではうまくいかないケースもありますし、あまり複雑な分岐などの処理には対応できないケースもありますので、ZohoからWordPressに同期したいデータの内容によっては、WordPress側のカスタム関数などを併用しながら進めていくことが現実的です。

WordPressとZoho CRMの双方向同期で実現できる機能

WordPressとZoho CRMで必要なデータをシームレスに双方向同期できるようになると、Webサイトの活用範囲が大きく広がります。
またデータの双方向同期のフローを確立することで、これまでどちらかというと集客用だったWebサイトが、DX化を進める上での顧客(またはリード)とのエンドポイントとして活用することができるようになります。

これまでの実装例を元に、実際にどのようなWebサイトの構築ができるようになるのかご紹介させていただきます。

不動産会社

不動産会社様であれば、物件情報、見込み客、仕入先、商談などのデータをCRM上で一元管理されていることが想定されますが、リード獲得のためにWebサイトにも物件情報を掲載しているのであれば、管理元データのCRMからWebサイトに物件の基本情報を同期できればWeb更新の手間は大幅に削減できます。
またWebサイトで獲得したお問い合わせデータもCRM上の見込みデータとして同期できますし、場合によってはWebサイト側に顧客マイページを用意して、査定結果やその他商談の進捗によって更新されていくような顧客ポータル機能を持たせることもできるようになります。

不動産サイトのCRM連携イメージ
不動産サイトのCRM連携イメージ

人材会社

人材紹介会社様や人材派遣会社様の場合、求人情報、応募者、選考状況、求人企業などをCRM上で一元管理されているケースが多いですが、応募者獲得のためにWebサイトにも求人情報を掲載しているのであれば、管理元データのCRMからWebサイトに求人の基本情報を同期できればWeb更新の手間は大幅に削減できます。
またWebサイトで獲得した応募データもCRM上に同期できますし、特に人材派遣をされている場合にはWebサイト側に登録者マイページを作成したり、人材紹介業の場合には選考状況をマイページ上で確認できるようにする、レジュメ登録をマイページで行えるようにする、などの機能を持たせると、更に業務効率を上げることができるようになります。

人材系サイトのCRM連携イメージ
人材系サイトのCRM連携イメージ

講座/スクールなど

オンライン講座やレッスンなどを提供されている企業様であれば、既にWebサイト上にマイページ機能は実装済みのケースが多いですね。
CRMを導入して業務効率化を図る場合には、如何にCMS上のデータをCRMに効率よく取り込むかが鍵になると思います。
Webhookを利用した連携では、必要なデータを自由にCRM側に連携できますので、受講データの分析やメールマーケティング、売上予測、受講管理などの業務を効率化することができると思います。

講座・スクールサイトのCRM連携イメージ
講座・スクールサイトのCRM連携イメージ

購読者管理(Webメディアなど)

複数のWebメディアを運用されている場合、1つのIDで複数サイトを購読できるようにしたい、というご要望をいただくことがあります。
また、購読者へのメール配信やプレゼントなどの企画を運営していくにあたって、CRMは非常に便利なツールになります。
この場合、それぞれのユーザー情報をどのように同期するかが課題となりますが、CRMで購読者を一元管理するような仕組みにしておけば、運営サイトがいくつあってもほぼリアルタイムに変更情報を同期することが可能です。

WebメディアのCRM連携イメージ
WebメディアのCRM連携イメージ

顧客ポータル

上記に挙げた仕組みを応用すれば、それ以外の業種でも顧客ポータルの作成や、製品情報の共有・見積りや受発注データなど、顧客ポータルに履歴を残しつつ、CRMで一元管理をする仕組みを構築することが可能です。
特に見積り作成や受発注などで膨大な入力業務が発生するようなケースでは、大幅な業務効率改善が見込めると思います。

顧客ポータルのCRM連携イメージ
顧客ポータルのCRM連携イメージ

Webhook実装の注意点

今回ご紹介した方法ではWordPressとZoho CRMの様々なデータの同期が可能ですが、画像データやPDFなどのバイナリーデータの同期については適していません。
直接画像データ等を送受信することはできませんので、例えば不動産の物件画像や見積書・請求書などのPDFデータをやり取りしたい場合には、別の手段も含めて検討していく必要がありますので、ご注意ください。

お気軽にご相談ください

コロナ禍の収束が一向に見えない昨今、弊社でも何らかのメンバー制機能を搭載したWebサイトの開発依頼をいただくケースが増えてきております。
せっかく業務効率化のためのCRMを導入するのであれば、もう一歩踏み込んでWebサイトとのデータ双方向同期を実装していくことで、更にDX化を進めていくことができると思います。

これからCRMを導入される企業様も、既に導入されている企業様もWebサイトとの連携をご検討であれば、是非お気軽にご相談ください。

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