クラウドPBXを導入しました
東京では再び新型コロナウィルス(COVID-19)の感染が拡大傾向にあるなか、弊社でもテレワークの常態化を進めるべくクラウドPBXを導入しました。
実際に導入してみた感想として、既にテレワークを導入している弊社にとっては本当にメリットしかないので、こちらの記事でご紹介させていただくことにしました。
クラウドPBXとは?
まず、「クラウドPBXって何?」という方のために、簡単に概要を説明させていただきます。
大半の企業様では社内に主装置やPBXを設置してビジネスホンなどの電話機を接続していると思います。
この主装置やPBXによって複数の外線・内線を接続したり、交換したりできるような仕組みになっています。
いわばビジネスホンの心臓部のような働きをする機械ですね。
これに対してクラウドPBXはこの交換機の仕組みをクラウドサーバ上に置いてしまい、インターネットを通じて電話通信を行うことになりますので、スタッフのスマホやPC端末を電話子機として利用できるようになります。
弊社の場合は固定の電話端末を廃止しましたので、ちょうど上図のような導入イメージです。
社内であっても外出先であっても、出張先であっても、地球の裏側であっても、インターネットにさえ繋がっていれば会社の電話番号で発着信ができるようになりました。
もちろん、クラウドPBXに対応したビジネスホン端末もありますので、「うちはどうしても社内に固定電話機を置きたい」という場合には、SIPフォンと言われる端末を導入することで実現できます。
弊社で導入したクラウドPBX
クラウドPBXベンダーはコロナ禍で特需が発生しているだけあって各社キャンペーンを展開していたり、サービスの選定には非常に迷いました。
弊社の場合は、
- スマホを内線化できること(最優先)
- 低コストで導入できること(優先)
- Mac環境でソフトフォンが使用できること(できれば尚可)
- Zoho CRMとのCTI連携を行いたい(できれば嬉しい)
という優先順位をつけて複数サービスを比較し、全ての要件を満たす3CXを導入しました。
3CXとは?
3CXは、2005年に設立されキプロスに本社を置くクラウドPBXソフトウェアベンダーで、オンプレミスでもオンクラウドでもお好きな環境にインストールして利用できるのが特徴です。
弊社でもGoogleCloudのVMインスタンスにインストールして利用することで、導入コストとランニングコストを大幅にカットすることができました。
3CXのライセンス形態
3CXの最大の特徴は、使用するSim.Calls(SC)単位で料金が決まる柔軟な料金体系で、1SCあたり4ユーザー(内線)に対応しており、4SC単位でライセンス購入ができますので、利用するスタッフの数に応じてライセンス料を支払うことで利用できるようになります。
Calls | ユーザー数 | ライセンス料(年額) |
---|---|---|
4SC | 1 - 16ユーザー | $250/年 |
8SC | 24 - 32ユーザー | $325/年 |
16SC | 48 - 64ユーザー | $652/年 |
24SC | 72 - 96ユーザー | $982/年 |
どうでしょう?驚くべき低コスト!
「もっとSCを増やしたい」という場合も特に上限はないので問題ありません。
逆に、「CRM連携などは不要。スマホの内線化だけできればOK。」という場合には、STANDARDライセンスで導入すればより低コストで利用が可能です。
ちなみに電話番号はこれまで使用していたNTTひかり電話の03番号を引き続き使用しています。
導入してよかった点
実際にクラウドPBXを導入してみて想像以上に使い心地が良かったのですが、弊社だけではなく様々な業態の企業様でもおそらく該当するだろうと思われるおすすめポイントを挙げてみます。
電話対応が円滑になった
固定電話で対応しているときは、電話の対応が重なってしまったり、社内に在籍していても休憩やランチなどで離席していて結局折返しのご連絡をしなければならないケースも多いですよね。
クラウドPBXではWebコンソールから細かな着信ルールを設定できます。
休憩中や外出中ときの内線端末の優先着信順位を設定したり、通話中のときの着信ルールを決めたりと、細かなチューニングが簡単にできますので、弊社のような少人数の会社でも臨機応変に柔軟な対応ができるようになりました。
また外出中でも内線が繋がるため、電話対応のムラをなくし、結果的に電話口のお客様をお待たせすることも減らしていけると思います。
社内のコミュニケーションが円滑になった
内線同士の通話はもちろん、必要に応じてビデオチャットや画面・資料の共有もできるため、グループウェア中心だったコミュニケーションもよりスピーディに行えるようになりました。
加えて外線の発着信履歴もすべて共有できるため、CRMと連携した顧客対応状況などもテレワーク下においても手にとるように把握できるようになりました。
コストの大幅削減(予定)
と、ここまでのところでは低コストとはいえ導入費・運用費がかかるお話でしたが、クラウドPBX導入の最大のメリットとしては、電話対応のためにオフィスに縛られることがなくなった点だと思います。
弊社では過去のブログでも書かせていただいたとおり、ほぼ全ての業務がクラウドツールなどで遂行できるようになっていましたので、電話だけが最後のネックになっていました。
参考
その電話がクラウド化されたことにより、テレワークを常態化した場合、現在のオフィススペースは完全に不要になります。
さすがに毎日誰も全く出社しない、ということにはできませんが、少なくとも現在のオフィスよりも小さなオフィスでも十分に機能するインフラを整えることができました。
具体的にオフィス移転などはまだ決めておりませんが、仮に移転をしても電話番号を変える必要もなく、最大の固定費だった賃料の大幅削減をすることができます。
まとめ
クラウドPBX導入は間違いなくテレワーク導入の大きな助けになります。
またアフターコロナにおいても業務効率化やコスト削減の観点で有力なソリューションと言えます。
緊急事態宣言化でテレワークを実施した中小企業のうち30%近くが既にやめてしまった、というニュースがありましたが、非常に残念なことです。
もちろん業種や業態によっても様々な事情があると思いますが、テレワークは先行き不透明な現環境下でもスタッフの安全を確保しながら、お客様からのご依頼いただく業務を着実に遂行し、企業活動を継続していく手段であると同時に、子育てや介護など毎日オフィスに出勤することが難しい方でも活躍できる多様な働き方を受け入れるための非常に有望な手段でもあると思います。
図らずもコロナウィルスによって急速に普及速度を早めたテレワークは、低コスト・低ストレスでとてもサステナブルな働き方だと感じるだけに、災い転じてこの機に定着していくことを願っております。
電話関連は弊社の専門分野ではありませんが、自社の導入を通して低コストに導入するためのポイントを掴むことができました。
今後はパートナー企業様とも協力して、CRM連携等を含めた業務効率化支援の一環として導入支援をしていきたいと考えておりますので、「クラウドPBX、うちでも検討したいな」という企業様は是非お気軽にご相談ください。