ZOHO CRMの実践的活用方法(メーカー・卸売・小売業編)
業種別のCRM活用方法の第3弾。今回はちょっと視点を変えて、自社製品を持つメーカーや商品の仕入と販売が発生する卸売業・小売業を想定し、顧客データだけではなく、製品・商品の在庫管理や受発注の管理も一元化してしまうための実装について考えてみました。
今回は、ZOHO CRMだけではなく、ZOHO Oneアカウントで使用可能な在庫管理アプリケーション「ZOHO Inventory」を併用します。
ZOHO Inventoryの特徴
ZOHO InventoryのインターフェイスはZOHO Booksと非常によく似ておりますが、商品と在庫の一元管理機能がある点が特徴です。
このためより細かい商品管理が可能になっており、商品グループの設定や、商品のサイズ・カラーごとのSKU設定なども登録しやすく、非常に使いやすいツールです。
商品の設定情報項目もカスタマイズできるようになっており、幅広い商品や仕様が細分化されている製品の管理にも対応できます。
また、複数の倉庫で在庫管理を行なっている場合の対応や、棚卸しによる在庫調整など実務に即した機能も充実しております。
すこし残念なのは日本語ローカライズが不十分でところどころ英語や違和感のある日本語が残ってますが、このあたりはアップデートに期待ということで実用面では全く問題ないと思います。
ZOHO CRMとの連携
ZOHO Inventoryの最大の特徴はZOHO CRMの顧客データと連携し、顧客ごとの販売額や請求書発行まで一元管理が可能になります。
ZOHO Inventory自体にもレポート機能がありますが、ZOHO CRMのカスタムレポートや分岐機能も連携して使用できますので、ERP(Enterprise Resource Planning)に近いシステムが完成します。
ECサイトとの連携
さらにZOHO Inventoryは主要なカートシステムとの連携が可能です。
Shopifyはダイレクトに連携することができますし、弊社が得意とするWordPress(WooCommerce)との連携も可能です。※
ECサイトとの連携が可能なことで、例えば現在FAXでやり取りしているオーダーシートをWeb化してしまい、オーダー内容に連動して在庫管理を自動化する、といったことが可能になります。
あとはECサイト側の実装で、ある程度大口取引の場合には掛売ができるようにしたり、小口取引や小ロットオーダーの場合にはクレジットカード決済にするなど、自由に実装していくことができます。
もちろん、EC経由のオーダーではない場合(営業担当がFAXで受注書を受け入れたケースなど)もZOHO CRM側の操作で常に在庫は一元管理できます。
アナログな営業活動との併用も残しつつ、段階的にオートメーション化していくような運用をご希望の場合にもぴったりだと思います。
※WooCommerce連携は、Kloud Connectorsを使用
ZOHO CRM側の実装
ZOHO CRM側ではそれほど複雑なカスタマイズは必要ないと思いますが、必要に応じて管理項目のカスタマイズが可能です。
例えば、同じ商品でも顧客によって下代の掛け目が異なるようなケースもあるかと思います。
これは導入されるお客様によって実装方法が分かれる部分かと思いますが、ZOHO CRM側で顧客ごとの掛け目を設定できるようにしておくとWebオーダーとアナログオーダーの両方に対応できて良いと思います。
更に便利な拡張機能
ZOHO InventoryをZOHO Oneアカウントで導入する場合なら、ZOHO Oneで使用できる他のアプリも活用しない手はありません。
ニュースレター(ZOHO Campains)
メルマガ配信ツールのZOHO Campainsを使用すれば、CRMの顧客リストから対象を抽出して、新製品情報や売れ筋商品の情報を配信するのも良いと思います。
メールマガジンからの誘導先をWebオーダーサイトにしておけば、オーダーをWeb化の促進効果も見込まれます。
こんな感じのGUIで誰でも簡単に画像などを使用したHTMLメルマガを作成することができます。
その他にも活用できるアプリが盛りだくさん
ZOHO Oneプランでは他にも使えるアプリケーションが多数そろっていますので、アイデアや必要に応じてZOHO CRMと連携していくことでさらなる業務効率化が見込めます。
イメージしやすいものでは、以下のアプリを連携するとより便利になると思います。
ZOHO Sign |
電子署名ツール オンラインで作成した契約書を送信し、電子署名で契約締結が可能です。CRMと連携し、顧客ごとの契約書管理も可能です。 |
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ZOHO Books |
会計・請求管理ツール 売上・見積り・請求書管理が可能です。ZOHO InventoryやZOHO CRMと連携し、経理業務を効率化できます。 |
ZOHO Survey |
アンケートツール 簡単にアンケートフォームを作成でき、顧客満足度調査や集計レポートの共有が可能です。 例えば、セミナーを定期開催されているお客様にはきっと重宝するはずです。 |
ZOHO Desk |
ヘルプデスク メール・チャット・Webフォーム・電話・SNSなど複数チャネルのお問い合わせを一元管理・共有できます。 もちろんCRMと連携し、顧客データと紐づけて管理することができます。 |
ZOHO Oneのアプリについては若干重複になるのと今回の主題ではありませんので、こちらの記事も参考にしてみてください。
連携イメージ
ご紹介したこれらのインテグレーションを実現すると、下図のような利用イメージになります。
ZOHOの魅力はカスタマイズ性とアプリ間の連携だと思いますが、このような形で貴社の用途に合わせた実装が可能です。そして、ZOHO Oneはこれだけの高機能を備えていながら、システムの利用料が低価格に設定されており、40以上の連携アプリを単一料金で利用することができます。
オンプレミスのERPなど導入すると高額な投資が必要になってしまうかと思いますが、Web × ZOHOで実装することによりかなりのコストを押さえることができます。参考までに、上記の実装費を概算で試算してみます。
初期コスト
ZOHO導入支援 | 1,500,000円※1 |
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Webサイト制作費 | 2,000,000円※2 |
合計 | 3,500,000円 |
※1 導入プロジェクト2ヶ月想定
※2 製品サイト・EC機能・ZOHO連携含む
※表示金額はすべて税別
ランニングコスト(年間)
ZOHOアカウント費用 | 504,000円※3 |
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Webサイト保守費用 | 360,000円※4 |
合計 | 864,000円 |
※3 全従業員・年契プラン / 10名利用想定
※4 WordPress保守プラン
※表示金額はすべて税別
非常にざっくりした概算ですが、初年度合計(初期費用+年間ランニングコスト)でもざっと1名分の人件費程度のコスト感です。導入により効率化できる業務量をイメージしていただくと、費用対効果のイメージがしやすいのではないかと思います。
参考(ZOHO Oneの利用料金)
導入プラン | 年間契約(月額) | 月間契約(月額) |
---|---|---|
全従業員で導入 | 4,200円 / 1ユーザー(月額 / 年契) | 4,900円 / 1ユーザー(月額 / 単月) |
必要人数分だけ導入 | 10,500円 / 1ユーザー(月額 / 年契) | 12,600円 / 1ユーザー(月額 / 単月) |
また、ZOHO CRMは無料でお試し利用も可能ですので、是非気軽に触ってみてください。
有料プランの申込をするまで、一切費用はかかりません。
Webも含めた連携構築をご希望のお客様も、是非お気軽にご相談ください。